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第29回公演 もっと分かる能楽講座 徹底解剖!能「羽衣」「安達原」
能、はじめての方歓迎します!

第29回公演 もっと分かる能楽講座 徹底解剖!能「羽衣」「安達原」

平成17年2月5日(土)
昼の部 :午後1時開演(午後12時30分開場)
夕方の部:午後4時30分開演(午後4時開場)
矢来能楽堂(新宿区神楽坂)
裏面のPDF情報(ダウンロード)

あなたのリクエストに答えます!
能をみるのがはじめてという方にもわかりやすく、
楽しく能をご覧頂きたいと毎回好評を頂いている神遊の徹底解剖!能。
先の公演で取り上げて欲しい曲のアンケートを取らせていただき、 多くの曲が同列に上がりましたが、そのなかから特にご要望の強かった曲を選びました。
おなじみ、神遊演者による解説、そして手づくりのテキストをお配りします。
能がはじめての方を誘って、手ぶらでお出かけください。

◆昼の部 「羽衣」◆
1部・・・解説
・ストーリー解説
…おなじみ観世喜正がわかりやすくストーリーを解説いたします。みどころをチェック!
・お囃子の解説
…「羽衣」の囃子ごとを神遊囃子方が実演を含めて徹底解説致します。
・装束の着付
…普段舞台上では見られない<天女>の能装束・能面の着付を解説を交えてご覧頂きます。 
当日のモデルはシテ・観世喜正 解説は佐久間二郎さんでした。
-休憩-
2部・・・能「羽衣」をみる 
シテ(天女) 観世喜正
ワキ(漁師白龍)舘田善博
笛 一噌隆之  小鼓 観世新九郎  大鼓 柿原弘和  太鼓 観世元伯 
後見 長沼範夫 小島英明 
地謡
馬野正基 坂井音雅 坂井音隆 坂井音晴 佐久間二郎 坂真太郎  

《羽衣あらすじ》
駿河国・三保の松原の漁師白龍(はくりょう)(ワキ)が、いつものように浜辺へ漁をしにやってくると、 どこからともなく妙なる音楽が聞こえ、花が舞い落ち、かぐわしい香りが立ち込めてくる。
あたりを見渡すと松の木に美しい衣がかかっており、白龍は家の宝にしようと持ち帰ろうとすると、一人の女性(シテ・天女)が現れ、
その衣は自分の天人の羽衣で、それがなくては天に帰ることが出来ないので返して欲しいと頼む。
そこで白龍は、羽衣を返すかわりに天女の舞楽を見せて欲しいと頼む。こうして天女は羽衣を身にまとい、舞を舞いながら天に帰ってゆく。
羽衣伝説をもとにし、能らしさを集約したともいえる美しい人気曲。


◆夕方の部 「安達原」◆
1部・・・解説
・ストーリー解説
…おなじみ観世喜正がわかりやすくストーリーを解説いたします 
・お囃子の解説
…「安達原」の囃子ごとを神遊囃子方が独特の視点で徹底解剖! 
・装束の着付
…普段舞台上では見られない能装束・能面の着付をご覧頂きます
当日のモデルは坂真太郎さん、 解説は観世喜正でした。   
-休憩-
2部・・・能「安達原」をみる 
前シテ(里女) 後シテ(鬼女)観世喜正
ワキ(山伏祐慶)舘田善博 ワキツレ(山伏)森常太郎
間(従者の能力)高澤祐介
笛 一噌隆之 小鼓 観世新九郎 大鼓 柿原弘和 太鼓 観世元伯
後見 長沼範夫 桑田貴志
地謡 馬野正基 坂井音雅 坂井音隆 坂井音晴 佐久間二郎 坂真太郎  

《安達原あらすじ》
諸国遍歴にでた紀州の山伏の祐慶(ワキ)一行は、陸奥・安達原で行き暮れ、とある家に宿を借りた。
糸繰りをしつつ物語を聞かせてくれる女主人(前シテ)は、何やら由緒ありげな様子。
そして一行をもてなす為に山に薪を取りに出かけるが、留守中に決して寝室内をみないようにと言い残して出て行く。
しかし気になった従者(アイ)が寝室をのぞくと、死骸の山が積み上げられていて、鬼の棲家だったかと一行はあわてて逃げ出す。
鬼女(後シテ)が現われ、約束を破った事を恨んで襲い掛かってくるが、祐慶が五大尊明王に祈り伏せ、鬼女は夜嵐と共に消え失せる。
単なる鬼ババの物語ではなく、人間のはかなさ、老いの定めを描いた曲。観世流以外では「黒塚」という曲名。

第30回公演 ろうそく能【望月 古式】
おかげさまで第30回をむかえます

第30回公演 ろうそく能【望月 古式】

平成17年8月26日(金)午後7時開演
観世能楽堂
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私たち能楽師5名が平成9年に第一回の旗揚げ公演を行ってから、はや三十回を迎える事が出来ました。偏に皆様方の御力添えと厚く御礼申し上げます。
能の伝統を受け継ぎ、守り、未来へ伝えてゆくために芸の研磨、そして広い世代の方々への普及と面白さを伝える事を心頭に活動を続けて参りました。
数多くの公演を重ね、当時よりも向上したのか、楽しく観てくださる御客様は増えたのだろうか、と改めて反省し、神遊公演のあり方を問い直す時かと考えております。
今回は第一回目の望月を再び勤めさせて頂き、原点へ回帰し、改善を経て更なる高みを目指して行きたいと思っております。皆様方の厳しい御指導、御鞭撻が私たちを、また能楽界をも牽引してくださるものと考えております。 第三十回目の再出発を御高覧賜れば幸いです。   神遊メンバー一同

◆番 組◆
・みどころ解説

・狂言 『蝸牛』(かぎゅう)
 シテ(山伏) 野村萬斎
 アド(太郎冠者)高野和憲 
 アド(主人)深田博治
 後見竹山悠樹

・ろうそく能 『望月 古式』(もちづき こしき)
 シテ(安田友治) 観世喜正
 ツレ(安田友治の妻の妻) 武田宗典
 子方(友治の子・花若)小早川康充
 ワキ(望月秋長) 村瀬純
 アイ(望月の従者) 石田幸雄
 笛  一噌隆之 小鼓 観世新九郎
 大鼓 柿原弘和 太鼓 観世元伯
 後見 武田宗和 小早川修 遠藤和久
 地謡 山崎正道 藤波重彦 角当直隆 奥川恒治
     遠藤喜久 古川充 佐久間二郎 小島英明

あらすじ
狂言 『蝸牛』
主人(アド)が伯父に長生きをしてもらいたいので、長寿によいとされる蝸牛(かたつむり)をとってくるように太郎冠者(アド)に命じる。蝸牛を知らない太郎冠者は、竹薮に行けば必ずいるものだと教えられたので、竹薮に寝ていた特長がそっくりな山伏(シテ)を蝸牛と思い、喜んで連れて帰ろうとする。しかし、蝸牛(のふりをする山伏)は囃子ものがないと動かないというので太郎冠者は謡い囃して、「でんでんむしむし」と二人賑やかに浮かれ興じるが・・・。

能 『望月』
信濃の国の住人・安田友治は、同郷の望月秋長(ワキ)に殺された。遺された妻子や縁者も望月に命を狙われ、ちりぢりになっている。友治の妻(ツレ)と子・花若(子方)が追手から逃れてたどり着いた宿屋、その主人こそ友治の忠臣・小澤友房(シテ)であった。  再会を喜び、友治の無念の死を改めて嘆きあう三人。すると何たる奇遇か、敵の望月その人が友房の宿にやってくる。一計を案じた友房は、望月に酒を振る舞い、芸能者になりすました花若親子とかわるがわる芸を披露する。油断した望月が眠ったところを取り押さえ、花若と友房はめでたく仇討ちを果たすのであった。 日本の文芸の素材としても広く用いられる仇討ちの物語。本曲のそれは架空のものと思われるが、舞台はたいへんドラマチックに展開する。また、劇中劇で演じられるツレの「クセ」、子方の「羯鼓」シテの「獅子」といった芸能は囃子方含め全ての演者の見せ場・聴かせどころである。
(望月解説:大木晴子)

第31回公演【求塚】
平成17年度文化庁芸術創造活動重点支援事業・文化庁芸術祭第60回記念協賛公演

第31回公演【求塚】

平成17年11月25日(金) 午後7時開演 (6時開場)
観世能楽堂
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純情可憐な美しい娘は、求婚者の争いも鴛鴦の死も、全て己の罪と詮めて、自ら若い命を絶つ。
しかし死して後もなお、煉獄の炎に身を焼かれ苦患に休まる隙はない。
娘はなぜ責められねばならないのか?娘の罪はどこにあるのか?
人の世の不条理を「求塚」は問い続けます。

◆番 組◆
・狂言 『鴈礫』(がんつぶて)
 シテ(大名) 善竹十郎
 アド(男)善竹富太郎 アド(仲裁人)善竹大二郎

・仕舞『鐘之段』(かねのだん・「三井寺」) 観世喜之

・能 『求塚』(もとめづか)
 シテ(菜摘女/菟名日処女の霊) 観世喜正
 ツレ(菜摘女) 馬野正基・鈴木啓吾・古川充
 ワキ(旅僧) 森常好
 ワキツレ(従僧)舘田善博・則久英志
 アイ(所の者) 善竹十郎
 笛  一噌隆之 小鼓 観世新九郎
 大鼓 柿原弘和 太鼓 観世元伯
 後見 観世喜之 奥川恒治 遠藤喜久
 地謡 武田志房 岡 久廣 浅見重好 藤波重彦
     藤波重孝 佐久間二郎 小島英明 桑田貴志

※都合により能は本年当初予定の演目より変更になりました。ご了承ください。

<求塚あらすじ>
都へ向かう西国の僧(ワキ)は、生田の里に足を休めた。頃は初春。里の娘たち(前シテ・前ツレ)が恒例の菜摘にと現れる。春浅き野は未だ寒く、宮中では風雅な遊びの菜摘も里では労働に変わりない。しかし若い娘たちは万葉の古歌を引き、歌い、笑いさざめき屈託ない若さを誇っていた。それに誘われるごとく僧は万葉の故事・求塚の在り処を尋ねるが、娘たちは笑って相手にならない。そのうち菜摘を終えた娘たちは僧を残して立ち去ったが、一人、僧が初に話しかけた娘のみが居残った。娘は僧を求塚に案内し、請いに応えて求塚の故事を話し始めた。

昔、この地に菟名日乙女(うないおとめ)という美しい娘があり、小竹田男(ささだおとこ)、血沼丈夫(ちぬのますらお)の二人の男に同時に求婚されていた。どちらとも決めかねた娘は母の勧めに従い、生田川に遊ぶ鴛鴦の番(つがい)を指し、あれを見事射当てた方を選ぶと告げる。ところが二人の射た矢は同時に鴛鴦の体に当たってしまう。何の罪もない水鳥までも殺したのは我が科と、思いつめた娘は身を投げてしまう。その死を知った二人の男も、娘を葬った塚の前で刺し違え、後を追ってしまったのだった。

語り終えた娘は、一時僧をじっと見つめ、全ての科のもととなった罪深い身を助け給えと言い置いて、ふっと塚の内に消えていった…。(中入)
僧が見守るうち、塚の中から菟名日乙女(後シテ)が現れた。乙女は左右の手を小竹田男、血沼丈夫に取られ煉獄へ連れられて、死して後も執心から逃れる術もなく、煉獄の火炎と焦熱に身を焼かれ、僧へ助けを求める叫びを残して、また塚の内へと消えていくのであった。

-夏休みワークショップ- 親子能楽体験教室

平成17年8月26日(金)午後1時30分はじめ(1時開場)
観世能楽堂

おかげ様をもちまして、たくさんの子供達に参加して頂き、楽しく終えさせていただく事ができました。 ご来場の皆様、ならびにご協力いただきました方々に心より御礼申し上げます。 神遊一同

●プログラム
1部

 ・かんたんな「お能」についてのおはなし
 ・みんなで能の謡(うたい)を謡ってみましょう! 
  「鶴亀」の詞章(テキスト)をお配りします。
 ・能楽師のこどもたち出演の舞囃子(まいばやし)をみましょう。
  「鶴亀」(つるかめ)関根祥丸・大倉未沙都・柿原孝則・観世結子ほか

おこさまは→■こどもお囃子・仕舞体験教室
  能の楽器(笛・小鼓・大鼓・太鼓)に実際にさわって音を出してみましょう
  足袋をはいて、実際に能舞台を歩いて、扇をひらいてみましょう
  神遊のメンバーが教えます。全部の楽器にさわってみましょう
  (お子さまの足袋・扇はご用意します。希望者(数名)は能面をかけられます)

保護者の方は→■大人日本文化講座
  講師に小笠原礼法師範・吉沢菱久先生をお迎えし、   日本の心を学ぶ講演と、作法の体験教室をおこないます
(当日は小笠原流宗家小笠原敬承斎先生にご講演いただきました)

 ※講演終了後は、お時間の範囲内でこどもたちに交じって楽器・仕舞の体験ができます。
   お子様たちの写真・ビデオの撮影もご自由にどうぞ!
 (仕舞体験ご希望の大人の方は白足袋をご持参ください)

―休 憩―
※ロビーで能楽関係の本や、記念の扇などの販売があります。
 ※静岡県牧の原マルトウ農園直送のおいしい緑茶のサービスがあります。
 ※客席内でのご飲食はできません。

2部
 半能「安達原」(あだちがはら)をみる
般若のお面をかけた鬼ババの出てくる、恐ろしいけれど悲しみを秘めた人気曲です・
半能(はんのう)という省略した形式で、後半のクライマックス部分のみをご覧頂きます。
※終了後、ご質問におこたえします。

門司港レトロ薪能 ≪碇潜≫ 

平成17年10月8日(土)午後6時開演
北九州・門司港レトロ特設舞台(親水広場)
チラシ情報(新しいウインドウで開きます)

おかげ様でお天気にも恵まれ、盛会に終えさせて頂く事ができました。とても素敵なロケーションの中で演じる事ができ、メンバー一同大変に嬉しかったです。お越し頂いた皆様、客演頂いた先生方、地元の主催関係者の皆様方には厚く御礼申し上げます。 神遊一同

●内 容
【ワークショップ】
 ・物語を知る   ・囃子の魅力   ・装束を着る 

【狂言 「清水」(しみず)】
シテ(太郎冠者)野村万禄 アド(主人)橋本勝利

【能  「碇潜 舟出之習」(いかりかづき)】
シテ(老舟主・平知盛の霊) 観世喜正 子方(安徳天皇) 鷹尾 美伯
ツレ(二位尼) 鷹尾維教  ツレ(大納言局)長山耕三
ワキ(旅の僧) 福王和幸  アイ(早鞆の浦人)野村万禄
笛 一噌隆之  小鼓 観世新九郎   大鼓 柿原弘和  太鼓 観世元伯 
後見 遠藤和久 小島英明
地頭 山崎正道 
地謡 小田切康陽 森本哲郎 鷹尾章弘 角当直隆 久保誠一郎


―あらすじ―
狂言 清水(しみず)
太郎冠者(シテ)は、主人(アド)から茶の湯に使う水を野中の清水に汲みに行くように命じられるが、行くのが嫌で鬼に襲われたと言って帰ってくる。主人は太郎冠者が置いてきてしまった手桶が惜しいので、自分が清水へ取りに行くと言い、太郎冠者は先回りして鬼の面をかぶって主人を脅す。主人は一旦は逃げ出すのだが、鬼の声が太郎冠者にそっくりで、また鬼が太郎冠者を贔屓した事ばかり言うので不審がって確かめてみると・・・。

能 碇潜(いかりかづき)
1185年3月2日 壇の浦、源平最後の合戦。 滅びた平氏ゆかりの都の僧(ワキ)が、その弔いに早鞆の浦(壇ノ浦)を訪れる。そこへ行きかかった一艘の舟。僧は法華経の讀誦(どくじゅ)を船賃の代わりにと老舟主(前シテ)に頼み込んで乗り、渡り終えると壇の浦の軍物語(いくさものがたり)を語るよう所望する。舟主は能登守平教経の化身と化して奮戦の場面を舞い語る。教経は敵・源九郎判官義経にうまく逃げられ、二人の源氏武者・安芸の太郎、二郎を抱えて水底に沈んだのであった。<中入> 僧が読経していると、海中から二位尼と大納言局の霊(ツレ)が現れ、安徳天皇(子方)を抱いて入水する様を物語って回向を請い、平家の総大将・平知盛(後シテ)の霊は大長刀を振るって修羅道の苦患の様を再現し、碇を担いで渦を巻く海へ入ってゆく。 ご当地門司ゆかりの壇の浦の合戦、赤間神社に祀られる安徳天皇をめぐる、壮大な戦いの悲話である。



■ 観 覧 協賛席(全席指定)
・SS席 10,000円 ・S席 8,000円 ・A席 6,000円 ・B席 4,000円

■ 主 催  門司港レトロ倶楽部

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